横浜に住むようになってから2回目の災害ボランティア活動に参加してきました。場所は昨年秋の台風19号で多摩川が溢れ家屋浸水した川崎市高津区の神社です。
この地区でずっと、浸水家屋の床下清掃などを行っていた「チームたま」が、写真洗浄のボランティアを募集しているのをFacebookで知り、申し込みました。新型コロナ禍でボランティア活動も停止していたので、久々の参加です。
この日集まったのは19名。
作業は何段階かにわかれており、アルバムなどから写真を剥がしたり、水で濡れてくっついてしまっている写真をバラバラにする作業、それを水とスポンジを使って洗い、写真のうち滲んでしまっている部分のインキを洗い落として干す作業、最後は仕上げでアルコールを使い、残った汚れも取り除いてきれいにする作業があり、そこまで終わるとアルバムに戻し入れて、依頼した被災者の方にお返しするそうです。
私は写真洗浄初めてだったので、まずは写真がどんな構造になっているのかというレクチャーを受け、その後は実際に洗い流す作業を実演まじえて教えてもらい、さっそく作業に。
一番最初のロットが結婚式写真で、新婦さんがお父様と腕を組んで歩く写真では、間違っても中央の人物部分に影響を与えるようなことをしてはいけないと、ものすごく緊張しました。
ただ実際にやってみるとわかるのですが、浸水で色がにじんでいる部分以外は、しっかりバリアがかかっていて、水につけてもちゃんときれいに残ります(現像した時代や素材によってはそうではないので慎重さが必要)。
そして縁のダメになっている部分をスポンジで洗い流すと、お洒落な白いフレームをつけたかのようになって、むしろ「元の四角い写真よりステキかも」という仕上がりになります。
きっと最初依頼を受けた段階では、アルバム自体のページもくっついてしまって開くことができなかったり、開いても痛々しさしかない状態だったと思います。それがきれいに洗浄され、ちょっとおしゃれな感じになった姿を見たら、きっと被災者の家族のみなさん、喜ぶだろうなあと。
だって赤の他人の自分ですら、どんどんきれいに変化していく写真を見てワクワクしてしまうほどですもん。ましてやそれが、何十年も前、子供が小さかった時代の懐かしい旅行写真や家族写真だったら。
もちろん中には中央部分まで浸水して溶けてしまっているものもあり、復旧断念というものもあります。ただ津波などで流されて長期泥水に使っていたというわけでもないので、私たちが手掛けた写真の大部分は、写真の縁以外は無事でした。
参加している人のほとんどは川崎市か横浜市在住の方ですが、中には東日本大震災の時に被災し、ボランティアの手によって復活した写真を受け取った経験があり、それを機に自分もやるようになったという方もいらっしゃいました。
休憩時間には、横浜市在住の方に地元情報なんかを教えてもらったりもし、こうした地域の輪に入れるのはいいことだなあと思いました。
時間作って、また写真洗浄のボランティアに参加したいと思います。