映画『シェルブールの雨傘』を見ました。
【梗概】
自動車整備工のギイと傘屋の娘ジュヌヴィエーヴは恋人同士で、深く愛し合っていた。将来まで約束していた2人だったが、ギイは2年間の兵役へ赴くことになる。このときギイが20歳、ジュヌヴィエーヴは17歳とまだ若く、2人に、特にジュヌヴィエーヴにとって、愛する恋人と2年もの間離れ離れになることは、あまりにも残酷なことだった。月日が流れ、兵役を終えてシェルブールの街に戻ってきたギイは、ジュヌヴィエーヴが宝石商の男と結婚していたことを知る。
1964年のフランス映画で、パルムドール受賞作品。
全ての台詞にメロディーがつけられている、純然たるミュージカルです。
どのシーンにも音楽がマッチしていて、ミュージカル特有の臭すぎる雰囲気を感じませんでした。
衣装やセットも凝られていて、原色を基調としたカラフルな色づかいに見とれます。
喜びのシーンにはピンク、悲しいシーンにはブルーなどと衣装の色も選ばれていて、メロディーに乗った言い回しだけでは伝えきれない感情を伝える工夫がされていました。
第1部旅立ち、第2部不在、第3部帰還と3部構成になっており、第3部のラストシーンはあまりにも有名です。
見終わって、ラブストーリー上での2人がうっとりと愛を語り合うシーンでは、ミュージカルがぴったりだと思いました。
愛の言葉は、時にその人へ捧げる歌のように、夢うつつで囁かれるものです。
リアルとはかけ離れたミュージカルの映画で、ハッピーエンドともバッドエンドともとれる、ただただリアルな結末が描かれていることに感動しました。
とてもいい映画、さすがの名作です。