ゲストハウスによってカラーがあるのは、おそらくみなさんが身をもって体験していることでしょう。「交流が多いハウス」や「交流が少ないハウス」など、いろいろあると思いますが、ゲストハウスに共通しているのは、「共用部分があること」でしょう。つまり、住人と「顔を合わす可能性があること」といえます。
これは、とっても重要なことだと思います。ゲストハウスに住んでいれば、だれしもが他人と違う生活のしかたから必然的に生じる「ギャップ」を多かれ少なかれ体験します。神経質な人はそのギャップが気になってしょうがないだろうし、大ざっぱな人はそのギャップを意に介しない。ギャップがある場合、あるいは黙認し、あるいは主張し、話し合い、あるいはどちらかが退去するということになるでしょう。このような対立において、どちらかが絶対に正しいといった「答え」はないと思います(そのハウスのメンバーに応じて「答え」は変わるので)。当事者が話し合ってギャップが埋められるならいいのですが、いつもそう上手くいくわけではありません。むしろ、黙認、もしくはしこりを残したままの状態になることが多いでしょう(話し合いが上手くいくような人の間では、そもそも大した問題は生じない)。
こうした「ギャップが解消されない状態」において、その相手と「顔を合わす可能性がある場所」があるというのは、ほんっとに貴重なことだと思います。気に食わない部分を持つ人と接するのは、仕事以外ではあまりないことです。
もしかしたら自分の早とちりだったのかもしれません。その相手に面と向かって自分の意見を言ったら、相手が今だけ特別な事情にあることを知ることもあります。
本当は相手に直接言うのがいいのだろうけど、なんでも主張しあうのが常に正しいとは限りません。単に自分の主張がわがままなのかもしれません。たとえば、
ただ自分が神経質なだけなのかもしれません。他の住人がその問題をどう思っているのか聞いたら(徒党は組まずに)、もしかしたらイライラしているのは自分だけかもしれません。
そうじゃなくても、ただ自分が怒りっぽいのかもしれません。他の住人の意見を聞いたら、住人の中で「自分が一番その問題に腹を立てている」のかもしれません。
その問題には一切触れずに相手とただの世間話をしてもいいし、ただあいさつするだけでもいいと思います。そこから相手への印象が何か変わるかもしれません。何もコミュニケーションしないよりずっといいと思います。
顔を合わせて知らんぷりを決めこむのは、もったいないですね。
「ゲストハウスは自分の世界を広げてくれる」
多謝