
シェアハウスは短期利用できる?メリットや選び方を解説
公開日 : 2025.02.21 更新日 : 2025.02.21
一般的にシェアハウスは長期滞在を前提とした住まいというイメージが強いかもしれません。しかし、実は短期間だけ利用できる物件やプランが存在し、「数週間から数ヶ月だけ住まいがほしい」「引っ越しまでのつなぎで部屋を借りたい」といったニーズに応えているところもあります。仕事や留学、研修、旅行など、人によっては住まいを長期的に確保する必要がない場合もあるでしょう。そうしたシーンで選択肢に入ってくるのが「シェアハウスの短期利用」です。
本記事では、シェアハウスを短期利用できるのか、どういったメリット・デメリットがあるのかをはじめ、ウィークリー・マンスリーマンションとの比較や物件選びのポイントなどを詳しく解説します。自分のライフスタイルや目的に合った住まいのスタイルを見つけたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
シェアハウスは短期利用できる?
シェアハウスは、1ヶ月単位・週単位・日単位など、契約期間を柔軟に設定しているケースがあります。大手・中小問わず運営会社やオーナーによって方針が異なりますが、「最低契約期間が1ヶ月から」というところが比較的多いようです。また、ごく稀ですが2週間程度や数日単位の利用が可能なシェアハウスを見かけることもあります。
短期利用が可能な背景
- 空室を有効活用したい運営側の事情
シェアハウスを運営する立場からすると、空室をそのままにしておくよりも短期であっても入居者を入れたほうがメリットがあります。空き部屋をできるだけ作りたくないため、一時的なプランを設けている物件も少なくありません。 - 多様なライフスタイルに対応するニーズ
近年、リモートワークやフリーランス、あるいは地方と都市部を行き来する「デュアルライフ」など、暮らし方が多様化しています。そうした新しい働き方・生き方の人たちに向けて、短期滞在プランを用意しているシェアハウスが増えているのです。 - 海外からの旅行客や留学生の需要
日本に短期滞在する外国人向けのシェアハウスも増えています。ホテルやゲストハウスよりも生活感のある環境で暮らしたい、他の入居者と交流を深めたいという声に応える形で、短期利用OKの物件が登場しています。
注意点
- 短期利用の追加費用
運営側が部屋のクリーニングや契約手続きのコストを回収するため、通常の長期利用より少し割高の料金設定になっていることもあります。 - 物件・部屋数に限りがある
短期プランを設けているシェアハウスはまだまだ全体の一部です。また、短期用の部屋が埋まりやすい人気物件では、希望の時期に空きがない可能性があります。
とはいえ、長期契約が前提と思われがちなシェアハウスでも、実は短期プランを用意している例は珍しくありません。まずは運営会社の公式サイトや問い合わせフォームなどで「短期間での利用は可能か」を確認することをおすすめします。
ウィークリー・マンスリーマンションとどちらが良い?
短期滞在の住まいとして候補に挙がりやすいのが、ウィークリーマンションやマンスリーマンションです。これらは家具家電付きで、敷金・礼金が不要となることが多く、1週間~数ヶ月単位で契約ができることが一般的です。シェアハウスの短期プランと比べた場合、それぞれメリット・デメリットがあります。
ウィークリー・マンスリーマンションの特徴
- 完全個室でプライバシーを重視
ウィークリー・マンスリーマンションはホテルのように個室が完備されており、他の入居者と共有スペースを使うことは基本的にありません。一人の空間を確保したい人には魅力的です。 - 初期費用の予測が立てやすい
光熱費やインターネット費用などが家賃に含まれているパターンが多く、支払いの明瞭さがメリットです。短期契約であっても、追加費用が発生しづらいのも特徴と言えるでしょう。 - 周辺設備による自由度は物件次第
キッチンやバスルーム、洗濯機が専有部にあるか共用部にあるかは物件によって異なります。個室内に全て揃っていることが多いですが、その分家賃が高くなる傾向もあります。 - 割高になる点に注意
ウィークリー・マンスリーマンションは、敷金・礼金なしで気軽に契約できる一方で、月々の家賃が相場よりも高めに設定されていることが一般的です。特に短期間の契約では、日割り計算の影響でコストが割高になりやすく、長期滞在する場合は通常の賃貸契約と比べて費用負担が大きくなることもあります。
シェアハウス短期利用の特徴
- 家賃が比較的リーズナブル
同じ短期利用でも、シェアハウスは一般的にウィークリー・マンスリーよりも割安な傾向にあります。共有スペースが多い分、コストを抑えられるからです。 - コミュニティ感や交流が得られる
シェアハウスならではの魅力が、入居者同士のコミュニケーションです。旅行や留学、研修などで来ている人が多いと、国際交流や趣味の一致で仲間が増えやすいです。一人暮らしの静けさよりも、ある程度にぎやかな環境を楽しみたい人に向いています。 - プライバシーは個室レベル
物件や部屋のグレードによってプライバシー度は異なりますが、ウィークリー・マンスリーに比べると人と顔を合わせる機会が多いため、苦手な方には向かないかもしれません。ただし、水回り(トイレ・シャワー・ミニキッチンなど)が個室内に設置されている物件もあり、その場合はプライバシーが十分確保できるため、一般的なシェアハウスのイメージよりも快適に過ごせる可能性があります。
どちらを選ぶべき?
とにかく個室重視・交流不要→ウィークリー・マンスリー
費用を抑えつつ他者との交流も楽しみたい→シェアハウス短期プラン
このように住まいに求める条件や自分の性格・ライフスタイルによって最適解は変わります。契約前に両方を比較検討し、メリット・デメリットを踏まえて選ぶのがベターです。
シェアハウスの短期利用のメリット
シェアハウス短期利用には、以下のようなメリットがあります。長期滞在とはまた違った魅力があるため、ぜひポイントを押さえておきましょう。
- 初期費用が比較的安い
シェアハウス全般に言えることですが、通常の賃貸物件と比べて敷金・礼金・仲介手数料などがかからないか、もしくは大幅に抑えられるケースが多いです。短期の滞在であっても「数ヶ月分の家賃+敷金」といった高額なコストが発生しにくいため、金銭的なリスクが低いのは大きなメリットと言えます。 - 家具・家電付きが多く、引っ越しがスムーズ
短期向けシェアハウスでは、あらかじめ家具や家電が備え付けられているケースがほとんどです。ベッド・冷蔵庫・洗濯機・エアコンなどが最初から揃っているため、大がかりな引っ越しをする必要がありません。スーツケース1つでも住み始められるのは、出張や研修の合間など、時間のないときには嬉しいポイントです。 - 他の入居者との交流が生まれやすい
ウィークリー・マンスリーマンションでは基本的に隣の部屋の人と話す機会がほとんどありませんが、シェアハウスにはリビングやキッチンなどの共有スペースがあり、自然とコミュニケーションが発生しやすい環境が整っています。短期であっても、期間中に何か共通のイベントがあればすぐに仲良くなれる可能性があります。外国人や地方出身者が多い物件だと、異文化交流のチャンスも広がるでしょう。 - 契約期間の自由度が高い
一部のシェアハウスでは、1ヶ月単位で契約を更新できたり、契約期間の延長・短縮に柔軟に対応してくれたりする場合があります。これにより、「予定が変わってもう少し滞在したい」「急に退去することになった」といったイレギュラーな事態にも対応しやすいです。シェアハウスごとにルールや条件が異なるため、事前に確認しておきましょう。
シェアハウスの短期利用のデメリット
メリットが多い一方で、短期利用ならではのデメリットも存在します。快適な滞在にするために、想定しうる課題をしっかり把握しておきましょう。
- 1. 家賃や共益費が割高になる場合がある
シェアハウスの中には、短期滞在に対して通常の家賃に上乗せ料金を設定しているケースがあります。運営側としては、短期利用の入れ替わりが多いほど部屋のクリーニング費用や事務手数料がかさむため、コスト回収のために割増料金を設けているのです。長期契約の入居者に比べて月々の家賃が高めになる可能性がある点は理解しておきましょう。
2. 物件数が限られる
すべてのシェアハウスが短期利用を歓迎しているわけではありません。オーナーや運営会社によっては「最低でも3ヶ月以上」などの契約条件が定められているところも多いです。また、人気のエリア・物件だと空き部屋が出にくい傾向にあり、短期入居者を積極的に募集していない場合も。選択肢が限られる点は短期利用特有のハードルと言えるでしょう。- 3. コミュニティに馴染む前に退去する可能性がある
シェアハウスの魅力は、人との交流やコミュニティ形成ですが、短期の滞在だとせっかく仲良くなりかけた頃に退去してしまうケースも少なくありません。「あまりに短すぎると、そこまでシェアハウスならではの楽しみを味わえず終わる」可能性は考慮しておく必要があります。 - 4. 部屋の選択肢が少ないこともある
短期利用プランを用意していても、「部屋タイプが限定される」「空室状況によって選択の幅がほとんどない」といった状況が起こり得ます。特に人気物件の場合、長期入居者に優先して部屋を回すことが多く、短期プランで借りられる部屋のグレードが落ちるかもしれません。
シェアハウスの短期利用に向いている人
シェアハウスの短期利用は、以下のような方に特に向いています。
- 出張や研修で短期間だけ都市部に滞在する人
ホテル暮らしでは費用がかさみがちなため、シェアハウスのほうがリーズナブルに長期出張を乗り切れることがあります。共有スペースでほかの入居者と交流できれば、仕事終わりのリラックスにもつながるでしょう。 - 旅行や留学などで長期ホテル滞在を避けたい人
ホテルやゲストハウスより生活感があり、他の入居者との交流で現地の暮らしを体験できる点が魅力です。キッチンが自由に使える場合も多く、外食費を抑えたい留学生にも助かるでしょう。 - 引っ越しのつなぎや転居準備をしている人
住まいが決まるまでの短期滞在先としてシェアハウスを利用するケースも増えています。家具家電付きのため、転居後の荷造り・荷解きの手間を最小限に抑えられます。 - 初めてのシェアハウス体験を試してみたい人
長期で契約する前に「シェアハウスが自分に合うか試してみたい」という方にも、短期利用はちょうど良いお試し期間になります。実際に住んでみないとわからない点を確認した上で、長期契約に移行することも可能です。
短期利用するシェアハウスの選び方
シェアハウスを短期利用する際は、以下のポイントに気を付けて物件を選びましょう。自分の目的やスタイルに合った物件を見つけることで、より満足度の高い滞在が可能になります。
- 契約期間・料金プランを確認する
「1ヶ月単位」「2週間単位」など運営会社によって契約体系は様々です。家賃や共益費がどのくらい割増になるのか、追加でかかる事務手数料やクリーニング費用なども事前に確認しましょう。 - 必要な家具・設備が整っているか
短期利用の場合、できるだけ荷物を少なくしたいもの。ベッドや寝具、洗濯機、冷蔵庫、調理器具など、自分が必要とする設備が揃っているかは大きな検討材料です。特に長期出張や留学の方は生活必需品の有無をチェックしておくことで、余計な出費を防げます。 - アクセスの良さや周辺環境
もし通勤・通学・研修などで移動が多いのであれば、駅やバス停へのアクセスが良い物件を優先しましょう。周辺にスーパーや飲食店があるかどうかも、日々の生活を快適にするうえで重要なポイントです。 - 入居者の雰囲気や年齢層
シェアハウスでは、他の入居者との相性が生活の満足度を左右します。事前に内覧をするか、オンラインで運営会社に問い合わせを行い、「どんな人が住んでいるのか」「国際色はあるか」「学生が多いか社会人が多いか」などを確認しておくと、ミスマッチを減らせるでしょう。
まとめ
ここまで、シェアハウスを短期利用する際のポイントや、ウィークリー・マンスリーマンションとの比較、メリット・デメリットなどを詳しく見てきました。ホテルやマンスリーマンションと比べて費用面での負担が少なく、家具家電付きの物件が多いシェアハウスは、短期間だけ利用したい人にとって魅力的な選択肢となり得ます。さらに、他の入居者との交流を通じて、新しい仲間や情報を得られるチャンスがあるのもシェアハウスならではの醍醐味です。
一方で、物件によっては短期利用ができない場合や、割高な料金設定になっている場合もあります。入居前には契約期間・料金体系・物件設備・入居者の年齢層や雰囲気などをしっかり確認し、自分の滞在目的に合った環境を選ぶことが大切です。事前のリサーチと運営会社への問い合わせを怠らずに行い、安心して滞在できるシェアハウスを見つけましょう。
シェアハウスの短期利用は、出張・旅行・留学・引っ越し準備など、さまざまなシーンで役立つ可能性を秘めています。これまで「シェアハウス=長期契約」というイメージが強かった方も、一度短期プランを検討してみると、新しい発見や素敵な出会いが待っているかもしれません。ぜひ自分のライフスタイルに合わせて、最適なシェアハウスを見つけてください。
監修者 : 谷口裕紀 (合同会社シェアリアル 代表社員)
シェアハウスの運営・管理、プロデュース、コンサルティングを本業にしながら、練馬区でシェアキッチンをハブに地域コミュニティの活性化にも挑戦中。
最近の生きがいは、釣りとクラフトビールと中日ドラゴンズ。
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