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レジデントブログ

小さな小さな冒険
2009.05.21

先日、ここのゲストハウスに新しく入居してきたドイツ人から、唐突に相談を持ちかけられた。

「髪を切りたいんだ。でも、どこへ行けばいいんだ?それに・・・日本語話せないよ・・・」

思いつめた顔をする彼に、笑って私は返した。

「心配いらないから!日本語で、どんな髪型にしたいか紙に書いてあげるから、それを店の人に見せればいいよ!」

それから彼の要望を聞き、ノートから破り取った紙に記し、念のためいくつかの役に立つかもしれない文言(もっと短く、これで良いです、ここを切って下さい、等等)も添え、彼に手渡した後、私がいつも行く美容室に予約を入れた。

言葉もままならない異国で、初めて行うことは、少なからず不安を伴うもの。反面、予測できない結果がどこか楽しみな部分もある。ちなみに私も過去、旅の途中で、言葉の通じないところで飛び込みで髪を切ってもらったことが何度かある。外国人があまり訪れない街で、突然の闖入者に床屋の人たちが戸惑っている様子は、なんとも面白おかしかった。いつも出来栄えは、それほど悪くなく、何となくその国のスタイルが髪型に表れて興味深かった。

 予約した時間に美容室へ行くドイツ人の彼が一言

「これはちょっとした冒険だね!」

「気を楽に。彼らは髪を切っても首は切らないからな。」と、私。

小一時間後、満面の笑顔で彼が戻ってきた。

「ありがとう!!上手く行ったよ!!彼らの仕事は完璧だったよ!!スゴイね!!」

若い頃のブラッド・ピットに似たドイツ人が私の目の前にいた。
投稿日 :
2009.05.21
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